前院長雑感(南の風)

健診模様(46)健康管理は自己責任か(前)(2019/04/08)

 健康講話のとき、生活習慣病対策は「快楽(欲望)習慣との闘いである」と話すことが多い。「わかっているけどやめられない。要は変えようと決意するかどうかである」と。
だれでも美味しい物を好きなだけ食べたい、休日は寝転んでテレビ見ながらごろごろしたい、酒ほど人生を楽しくさせるものはないと思う。どれも変えたくない生活習慣だからである。ところが生活習慣病の恐ろしさは、自覚症状がなく日々快適に過ごしていても病気は体の中で静かに進行していき、気づいたときは後の祭りということである。
生活習慣病対策としては、食事と運動の両面から常にモチベーションを持ち続けることが大切であることは言うまでもない。
食事面では肉や魚、野菜、穀物などをしっかりと摂り、栄養バランスを保つこと、運動面では時間をつくって運動ができたら理想的だが、これはなかなか難しい。そこで普段の生活で階段を利用したり、こまめに歩くことが重要となる。ただ単に歩くというのでは長続きがしないので、その方法を工夫することが必要となる。私の場合は、「万歩計」を肌身離さず持ち歩いている。人間、数値化すると急き立てられるような気持になってしまう。でもこれがストレスになってしまうと「本末転倒」である。
さて健康長寿についての講演では、標準体重を維持することの重要性について話すことが多い。その時に誰を標準体重として紹介するか、みんながよく知っていることが肝心なので、「財務大臣の麻生さんのBMIが21台ということですので、標準体重ということになります。もっとも男性の場合には、小太りが長生きするとも言われていますが」と付け加えている。
その麻生さんが昨年末、閣議後の記者会見で「飲み倒して運動も全然しない(で病気になった)人の医療費を、健康に努力している俺が払うのはあほらしくてやってられんと言っていた先輩がいた。良いことを言うなと思った」と述べている。よく率直な物言いで物議をかもしだしているが、この発言には一理があると思った。もの事は全てが当てはまることのないのが道理で、例外もある。最近保険会社では体重などの推移や歩行数で保険料を増減する会社も現れていると聞くが、もっともなことだと思う。


南風病院画像診断センター政記念消化器病研究所病院広報誌「南風便り」