前院長雑感(南の風)

救急医療の現実(後)(2019/04/04)

 話は少し違うが、今、多くの医療機関で「患者様」なる気持ちの悪い言葉を平然と使っているが、大嫌いだ。というより間違っていると私は断言する。「患者さん」で必要十分。何度かこの日記でもそれを指摘している。
厚労省が「〇〇さん」ではなく「〇〇様」と呼ぶのが望ましいと通達したのを拡大解釈し、誤って「患者様」と呼ぶようになり、言葉を深く考えない連中がそれが当たり前かと思って流布してしまっている。幸い青雲会病院ではそれはおかしいということで使わないように指導している。当然のことであった(終)。
全文を読みながら、医療機関の当直医の憤怒がよく表現されており、ほとんどの部分で私も同感である。コテル君は副院長の職にありながら、月に何度も忙しい救急をウェルカムな気持ちでこなしているようで、よく続くなあと頭がさがる。「整形外科Drは週に2日しかおらず、不在時は専門外のDrが交通事故や打撲を診察しているのも地方救急病院の現実なのだ」は、多くの救急病院ではいずこも同じである。「専門外は診れません」では、現状の日本の救急医療は存続しえない。この患者の娘が「県にクレーム」とは驚きで、私は院長して長いが、このようなクレームの報告を受けたことは一度もない。この娘は「特異」なもので、救急医療では深夜、患者さんは診てくれる医師に感謝こそすれ、問題を起こすようなことはないし、そのように信じたい。
また肋骨骨折や胸骨にひびが入っていることを見落としたとしても致し方ないことだと、医師の立場からは考えられるし(難しい判断だと思う)、まして点滴云々は論外である。「しなければしなかった」でクレームを言うかも知れない。「県庁にこの1件で文句を言いに行ったらしい」ということも理不尽な行為だと思う。
「患者様云々」については、私もずいぶん前に南日本新聞の「論点」で取り上げたことがあったが、ほぼコテル君に意見と同じである。


南風病院画像診断センター政記念消化器病研究所病院広報誌「南風便り」